中国・万里の長城の危険な旅行記

更新日: by Work Study Abroad

今日は中国・北京の万里の長城で経験した恐怖体験について書きたいと思います。これは友人Oと北京旅行をした時の出来事です。

私たちは節約旅行だったため、万里の長城観光はツアーに参加せず、公共交通機関を利用することにしました。北京の街からバスで片道3〜4時間の道のりです。

バスの中では何とも言えない独特の雰囲気を感じながらも、無事に目的地に到着。バス停から万里の長城までは、山道をひたすら登りました。

念願の万里の長城へ

山の上に位置する万里の長城からの景色は息をのむほど美しかったです。どこまでも続く壁の上を歩いていると、まるで別世界に迷い込んだような不思議な感覚に包まれました。

壁の上を2〜3時間ほど歩き、ようやくゴール地点に到着しました。

「帰りも同じ道か…きついな…」

とため息をついていた時、私たちは思わぬものを発見しました。

城壁からバス停まで直通のジェットコースター

「ジェットコースターに乗ってバス停まで行けるなら一石二鳥だ!」

そんな軽い気持ちでジェットコースターに乗車したのですが、これが後の大きな災いを招くことになるとは、この時は想像もしていませんでした。

見知らぬ土地へ辿り着く

ジェットコースターを降りると…

「ここはどこだ!」

行きのバス停とは全く違う場所に着いてしまったのです。そこに停車しているのは、明らかにツアー客向けの豪華なバスばかり。

何台かのバスに北京の街まで乗せてくれないか尋ねてみましたが、答えは全て「NO」でした。そもそも英語がほとんど通じないため、まともなコミュニケーションが取れません。漢字での筆談しかできず、複雑な状況を説明するのは至難の業でした。

熊が登場!さらにオッさんと口論に!

途方に暮れながら周辺を歩いていると、岩で囲まれた場所に熊を発見しました。

「なぜこんなところに熊がいるんだ!」

驚きながらも、手元にあったリンゴの切れ端を投げて餌をあげ、束の間の休息を楽しんでいたその時。どこからともなくおじさんが現れ、餌代を請求してきたのです

「餌代を払え」

「え!先に言ってくれよ」

文句を言うと、このおじさんと口論になりましたが、すでにリンゴを投げてしまった以上、支払うしかないと悟り、仕方なくお金を払うことにしました。中国の商売上手さを痛感した瞬間でした。

日が暮れる前に帰り道を探さなくては

そうこうしているうちに日も暮れてきたので、バス停へ戻る方法を考えなければなりません。周りの人に尋ねていると、親切な方が教えてくれました。

「山道の道路をまっすぐ歩けばバス停に着くよ」

しかし、その道は歩行者が誰もおらず、完全に車専用の道路に見えたので不安になっていると、通りかかったタクシーの運転手が声をかけてきました。

「この道からバス停まで歩くと2、3時間かかるよ」

「ここを2、3時間歩くのはさすがに怖いな…タクシーだといくらかかるの?」

「○○元だよ」

法外な料金を提示してきました。このおじさんが嘘をついているのか、それとも本当にバス停がとても遠いのか。山奥の見知らぬ土地で、しかも日も暮れかけている状況で、私たちは究極の選択を迫られました。

二人が出した結論は、「タクシーの運転手が嘘をついている」

私たちが出した結論は、「このおじさんは嘘をついている」ということで、歩くことを選択しました。覚悟を決めて山道を歩き始めると、なんと15分ほどでバス停に到着したのです。

…やはりタクシーの運転手は嘘をついていたのでした。

帰り道のバスでも事件が発生

万里の長城からようやくバス停にたどり着き、バスに乗ることができたのですが、ここでまた大事件が発生しました。トイレが我慢できなくなってしまったのです。

言い訳をさせてください。万里の長城から北京の街まではトイレ休憩なしで3〜4時間ぶっ通しの移動であり、しかも車内は足元が冷えて、かなり厳しい状況だったのです。

運転手に一旦停車してもらおうと思いましたが、バスは高速道路を猛スピードで走行しており、ここで降ろされたら危険だという判断から断念しました。

ペットボトルの活用を試みる

最後の手段として、空のペットボトルを利用するという作戦を決意。周りにバレないように、後方の誰も座っていない座席に移動しました。

しかし、「怪しい動きをしている人がいる」と思われたのか、周囲の乗客が私に注目し始めました。

「あの人、何をしているんだろう…」

作戦は中止せざるを得ませんでした。もうバスを降りて用を足すしかないと覚悟した瞬間です。

バスの運転手に途中下車を告げに行く

覚悟を決めた私に、友人Oが心強い言葉をかけてくれました。

「どんな時も一緒だ。俺も一緒に降りるよ」

決意した私たちは、バスの運転手に話しかけに行きました。

「トイレに行きたいからここで降ろしてください!」

言葉では通じないので筆談で伝えようとしましたが、これも通じません。一刻を争う状況だった私は、皆が見ている前でトイレのジェスチャーを思い切って表現。恥ずかしさを我慢しながらも、ついに運転手に伝えることができました。

緊急事態を理解した運転手はバスを停車してくれ、ようやく苦しみから解放されたのです。

驚きの結末が!

「バスはもう出発してしまっただろうな…どうやってここから戻ろうか」

そう思いながら振り返ると…感動的なことに、バスが私たちを待っていてくれたのです!

運転手とバスの乗客の皆さんにお礼を言い、深々とお辞儀をしながら席に戻りました。中国の人々の温かさに触れることができた、忘れられない出来事となりました。