1941年12月7日。
それは、日本の歴史が大きく動かされた運命の瞬間でした。
そうです、それは太平洋戦争のきっかけになった大日本帝國の恐ろしい奇襲作戦「真珠湾攻撃」です。
日本から遠く離れたハワイへ遠征し、アメリカの守備網をかいくぐって奇襲攻撃を展開するという、日本軍にとっては世紀の大博打と言われるほどリスクのある作戦でもありました。
時が経ち。。
美しい海とのどかな港が眺められる真珠湾は今、ハワイの人気観光地として多くの人々にその悲劇の歴史を教育する場所となっています。
本日のトピックはパールハーバー観光について。
先週の土曜日にパールハーバーに観光に行ってきたのですが、ツアーは少し高かったので、自力で観光に行ってきました!
今日はそのノウハウをまとめたいと思います。
目次
まずはパールハーバー・ビジターセンターへ向かう
パールハーバー観光では主に「アリゾナ記念館」「戦艦ミズーリ」「太平洋航空博物館」などの歴史的スポットや展示物を見ることがアクティビティとなります。
これらのアトラクションの前にまず「パールハーバー・ビジターセンター」という場所に行ってチケットを入手しなければなりません。
パールハーバー・ビジターセンターへの行き方
バスで行く場合は、ワイキキからは20番と42番、アラモアナからは20番、40A番、42番、62番のルートとなります。
マッカリーの前のバス停のAのバスからも行くことができます。
ヘイショー
荷物の持ち込みは禁止。大きい荷物は有料のロッカーへ。
バスを降りるとエントランスがあるのですが、ここでは厳しい持ち物検査が待ち受けています。
どれくらい厳しいのかと言うと。。。
カバン自体が持ち込めません!
なので荷物がある方はエントランスの近くにある有料(3ドル)のロッカーで荷物を預けなければなりません。
チケットを購入。カマアイナ(地元)割引やJTB割引もあり
エントランスを抜けるとカウンターがありますので、ここで各アトラクションのチケットを購入します。
各スポットの料金は以下の通り(2016年3月時点):
- アリゾナ記念館・・・無料(ただし1日に1200人までしか入れない)
- 戦艦ミズーリ・・・大人一人27ドル(カマアイナ割引、JTB割引適用で22ドル)
- 太平洋航空博物館・・・大人一人25ドル(カマアイナ割引でで15ドル)
アリゾナ記念館について
ややこしいシステム
アリゾナ記念館の観光は「映画鑑賞→ボートで移動→アリゾナ記念館を見学」という流れの約75分のプログラムになっています。
まずはビジターセンターのチケットカウンターでチケットをもらいます。
するとそのチケットに映画の開始時刻が書かれていますので、この時間までにシアターに集合すればOKです。
ちなみに私がビジターセンターに着いたのは朝8時半ですが、映画の開始時間は10時45分でした。
映画鑑賞&ボート移動までの時間つぶし
ということで、アリゾナ記念館のプログラムが始まるまで2時間15分待たなければなりません。
長っ。。
と思っていたのですが、実は心配不要でした。
ビジターセンターの周りに無料の展示館や、綺麗な景色が眺められる散歩道などがあり、「これだけでも十分」と思えるほど充実した時間を過ごすことができました。
上の写真は恐怖の人間魚雷「回天」のモデルです。
空母をも沈められる破壊力を持つ爆薬と共に人間もろとも体当たりし、命と引き換えに敵艦を沈める極限の兵器であったそうです。
上の展示会場では、日本とアメリカが太平洋戦争に突入するに至った経緯を見ることができます。
待ちに待った結果。。
ある程度時間は潰せましたが、ある程度は待ちましたよ。
時間が来たので映画を鑑賞し、いよいよボートに乗って座礁した戦艦アリゾナを見学に行くぞというところで。。
ヘイショー
待ち時間で真珠湾攻撃についての歴史をこれほどかというほど学びボルテージは最高潮に達していただけに、
ボートが出ないというハプニングはあまりにもショッキングでした。
戦艦ミズーリ観光
アリゾナ記念館に次いで人気のアトラクションが、戦艦ミズーリの見学です。
「バトルシップ」という相性でも有名なこの戦艦は、第二次世界大戦、朝鮮戦争、湾岸戦争などで猛威を振るった「海を走る暴走特急」のような存在です。
このアトラクションではすでに退役をしたこの軍艦の中に入り、中の様子を見たり所々にある展示物を見れる、といったことが楽しめます。
パールハーバー・ビジターセンターでチケットを購入し、シャトルバスで移動
チケットを購入する場所はまたも「パールハーバー・ビジターセンター」です。チケットはカマアイナ割引適用でも22ドルと高いですが、後から思うとその価値はありました。
チケット購入後、バス乗り場に移動し、シャトルバスで戦艦ミズーリへ移動します。
日本語のガイドさん登場
戦艦ミズーリに搭乗すると、流暢な日本語を話すマウイ出身の日系3世のジョージさんが待ち構えていました。
そうです、このアトラクションには日本語での簡単なガイドが含まれているのです。
時折ごきげんなジョークを織り交ぜつつ、戦艦ミズーリが残した功績を説明しながらガイドしていただきました。
展示物も充実
船の中では軍艦の様子がリアルに見学できると同時に、ところどころに第二次世界大戦を学ぶことができる内容の展示物も見ることができました。
中でも神風特攻隊関係の展示物は多かったです。
上の画像は、神風特攻隊に攻撃された箇所。
少しへこんでいる部分がそれです。
恐ろしいですね。
そんな感じで、午前中に観光終了!
戦艦ミズーリはとんでもなく広かったので、見学が終わった頃にはヘトヘトでした。。
ということでこの日は以上で観光は終了しました!
全体的な感想としては、思ったより日本軍を悪者にしているような雰囲気はありませんでした。
どちらかと言うと、「日本軍は真珠湾でとんでもなく難題な奇襲攻撃をやり遂げた」というような内容です。
神風特攻隊についても、命を懸けて勇敢に散った特攻隊員を賞賛する雰囲気がありました。
これらの展示物を見ている内に、大勢の人々が亡くなったことに対しての日本人としての罪悪感を感じると同時に、勇敢に戦った日本人兵士を誇らしく思う気持ちも芽生えました。
私たちは日本の学校教育で、あまりにも第二次世界大戦の内容を省略しすぎていると思います。
戦争の歴史が学べる真珠湾は皆さんには是非とも訪れていただきたと思います。
一回二回観光で来る方は優先順位が低くなってしまうかもしれませんが、リピーターの方、在住者の方は知っておいていただきたい。
ハワイが好きであればなおさらですね。
後日、2回目の訪問をした時にツアーガイドの方にインタビューをさせていただきました
初めての訪問を記事にした後、関係者の方が連絡をしてきてくれてバトルシップへの招待とツアーガイドの方にインタビューをさせていただくことになりました。
ツアーとインタビューに応じてくれたのはツアーガイド暦20年のマサジさんです。
ヘイショー
» アロハプログラムアドバイザー長谷部 正寿 | ハワイ州観光局公式プログラム
インタビューの内容を記事に追記しておきますので、ご覧ください。
マサジさんのお仕事の内容を教えてください
戦艦ミズーリの日本語部、中国語部及び韓国語部のオペレーションの統括を担当しています。
具体的に言うと探検家ツアーや30分の無料ツアーなどを担当する各ツアーガイド達と連携を取り、各ツアーのクオリティの向上を目指しています。
来客者の客層や日本人の割合は?
基本的にアメリカ人観光客が圧倒的に多いですが、昨年阿部首相がオバマ大統領と共に慰霊に訪れて以降、日本人観光客の方々から「敷居が下がった」という声をちらほら聞くようになりました。
その影響もあってか、日本人観光客の数は今年に入ってから増加の傾向にあると思います。
安倍首相とオバマ前大統領真珠湾訪問について… 2016年12月27日に日本の阿部首相がオバマ大統領と共に日米開戦の発端地となった真珠湾を訪問して真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊しました。旧日本軍の真珠湾攻撃から75年が経過した中での歴史的な訪問と言っても過言ではありません。
日本人がパールハーバーを訪れるのは肩身が狭いのか。
日本人の中には「日本は戦争で悪いことをした」という認識を持っている方が多くいらっしゃると思いますが、戦争はどちらが悪いことをしたという話ではありません。
卑屈になる必要は全くないと思いますよ。
昔はアメリカ人観光客の中には差別的な方もいらっしゃいましたが、現在ではそういった態度のアメリカ人観光客はほとんどいないと思います。
第二次世界大戦に対するアメリカ人の見方も変わって来ているし、日米間の友好が深まってきているのも影響していると思います。
日本人観光客をガイドする際に気をつけていることは?
歴史を忠実に出来るだけ分かりやすく説明し、訪問者に楽しんでいただくことを第一の目的としています。
よく来訪者の方から「真珠湾攻撃についてどう思うか」などの質問を受けることがありますが、個人的な見解よりも出来るだけ事実に基づいた回答をするように努めています。
あえて個人的見解をお聞きしたいと思いますが、真珠湾攻撃陰謀説についてどう思われますか?
加瀬英明さんの本などを読むととても信憑性が高いように思えますね。
「ペリーが種をまき、マッカーサーで収穫した」という揶揄が印象的でした。
アメリカでも数名の学者さんが「第二次世界大戦の本当の戦犯はルーズベルト」と唱えているのも事実で、そのような仮説に想いをふけるのはとても興味深いことだと思います。
真珠湾攻撃陰謀説とは… 当時のアメリカ大統領ルーズベルトが日本軍からの奇襲である真珠湾攻撃を実は事前に知っていたが、戦争の火種を探していたルーズベルトはそれを知らんぷりしてあえて日本軍に攻撃させたという説。
戦艦ミズーリ・ツアーの見所は?
柱となっているのは降伏文書調印が行われた場所と、神風特攻隊についてのストーリーの2つでしょうか。
中でも神風特攻隊の話はやはり反響が大きく、間極まって涙を流す方もいらっしゃいます。
私たちガイドの人間も初めの方は自分の感情をコントロールするのが大変でした。
ミズーリでは神風特攻隊の展示が多くて驚きました
神風特攻隊の展示コーナーは2015年から始まったのですが、当初はアメリカ人の運営側から反発があるのではと心配していました。
しかし始まってみると彼らの目から見てもとても感慨深い内容だったようで、当初は一年のみの予定だったのが今でも継続して展示させていただいてます。
この展示コーナーによってアメリカ人から見た日本軍に対する理解も深まったように思います。
マサジさんのお気に入りのスポットは?
お気に入りの場所は、今は修復中で入れないのですが5階の艦橋ですね。
ここから景色を眺めるととても心が癒されます。
「パールハーバーは信じられないほど平和な場所になった」ということが実感できる場所です。
感想 – 日本人にも配慮された戦争博物館
パールハーバーには日本を悪者にするような雰囲気はなく、公平な目線で歴史を解説してくれる印象を持ったのですが、その理由が少し分かったような気がします。
パールハーバーには日本人スタッフが数名働かれており、日本人観光客の満足度が高くなるように年々改善が行われているようです。
ヘイショー
他にもマサジさんには戦争の話をいろいろ教えていただき、第二次世界大戦の話にすごく興味をそそられました。
僕は今まではどちらかと言うと日本があまり好きではなくて8年くらい海外に住んでいるのですが、戦争(特に第二次世界大戦)の話を調べると日本に対して特別な感情が沸き上げてきます。
戦争を肯定する訳ではありませんが、昔の日本の工業技術はすごかったという話を聞くと誇らしげな気持ちになりますし。
まとめ
これからハワイ観光を予定している方がいらっしゃいましたら是非訪問してみてください。
以上、ご精読ありがとうございました!