未経験から留学→英語圏でWebデザイナーに海外就職した体験談

更新日: by Work Study Abroad

海外就職に興味はあるけれど、どんな職種が自分に合うか悩んでいませんか? Webデザイナーという選択肢に惹かれつつも、未経験から海外で働けるのか不安を感じていませんか?

この記事では、未経験から海外でWebデザイナーとして活躍するまでの道のりを、実体験をもとにお伝えします。

私は28歳で全くの未経験からWebデザイナーを目指し、オーストラリアの専門学校で学んだ後、フィリピンとハワイの企業でWebデザイナー兼デジタルマーケターとして働いた経験があります。

これから、未経験から海外でWebデザイナーになるための具体的な方法と、私自身の体験談をご紹介します。

難易度は?

私のWebデザイナーへのキャリアパスは以下の通りです:

  1. オーストラリアの専門学校で1年間、Web Developmentコースを学ぶ
  2. フィリピンの会社でECショップ運営者として約1年働く
  3. ハワイでWebデザイナー兼デジタルマーケティングスペシャリストとして3年半働く
  4. 日本に帰国後、デジタルマーケティング、SEO、UX関連の仕事に従事。現在の年収は約700万円

最近では、世界トップ500に入る外資系企業から年収1000万円のSEOマネージャーのオファーをいただくまでになりました。

自慢するつもりはありませんが、28歳でWebデザイナーを目指すと決めてから、私の人生は大きく変わりました。もちろん、この仕事への適性や、継続的な努力も成功の要因だったと思います。

英語が出来る日本人のWebデザイナーは少ない

Webデザイナー、SEO、デジタルマーケティングの職種をおすすめする理由は次の通りです:

  • 日本市場への参入を目指す外資系企業が増加傾向にある
  • これらの企業は潤沢な資金力と競争力の高いプロダクトを持っている
  • 日本語でのサイト制作やマーケティングができ、かつ英語も話せる人材の需要が高い

就職先は日本人顧客を獲得したい外資系企業

就職先としては主に2つのタイプがあります:

  1. 日本に拠点を持つ大手外資系企業
  2. 日本に拠点を持たない中小企業やスタートアップ

海外就職を目指すなら、2の日本に拠点を持たない中小企業が主なターゲットになります。

実際に探してみると、意外と多くの求人があることに気づくでしょう。

私がハワイで勤務していたのは、日本人観光客向けのWeb制作やマーケティングを手がけるデジタルエージェンシーでした。

最近では、ロンドンや香港の企業からも労働ビザ付きの求人が来ています。

将来的に日本に帰国する場合も、大手外資系企業でのキャリアパスが開けるため、長期的な視点でもおすすめできる選択肢です。

求人を探す方法

求人を探す方法は主に2つあります:

  1. 転職エージェントに登録し、求人を紹介してもらう
  2. 海外生活情報サイトの求人ページで探す

理想的にはエージェント経由での就職ですが、実務経験が1年以上ないと難しい場合があります。

経験を積むために海外生活情報サイトで求人を探すのも一つの方法ですが、観光ビザでの違法就労を勧める悪質な企業もあるため、注意が必要です。

Webデザインのスキルを身に着ける方法

私はオーストラリアのTAFE(専門学校)に約100万円を投資して1年間学びましたが、正直なところ、あまり費用対効果は高くありませんでした。

講師の質にばらつきがあり、YouTubeなどのオンライン学習リソースの方が有益だと感じることも多かったです。

現在の日本には質の高いプログラミングスクールが多数あります。まずはそういったスクールで基礎スキルを習得し、アルバイトなどでサイト制作の実務経験を積むことをおすすめします。

Webデザイナーになろうと思ったきっかけ(体験談)

シンガポールの街並み

ここからは、私がWebデザイナーを目指すことになった経緯をお話します。

2010年にオーストラリアへのワーキングホリデーを経験し、2011年にはシンガポールで営業職として就職。一見、順調なキャリアを歩んでいるように見えました。

しかし、シンガポールの会社に慣れてきた入社約1年後、私の中で大きな変化が起こりました。

「Webの業界に興味がある」と気づいたのです。

当時、比較的規模の大きな会社で働いていた私は、社内の基幹システムの効率性に感銘を受け、「自分の理想とするシステムを作れたら、どれだけ業務が効率化できるだろう」と考えるようになりました。

また、常に進化し続けるWebやシステムの世界に、無限の可能性を感じていました。

海外営業という職種では英語圏で働くのは難しい

仕事関連の画像

私が大きな決断をしたきっかけがあります。

当時の部長に「オーストラリアで営業として働かせてほしい」と相談したことがありました。

入社時の条件は「1年間シンガポールで勤務した後、ベトナムに転勤する」というものでしたが、実際にシンガポールで働き、ベトナム支店のメンバーと関わる中で、ある疑問が生まれました。

それは、ビジネスの進め方や英語でのコミュニケーション力についての不安でした。

率直に言うと、当時の私はその点に課題を感じていました。

ベトナムではマネージャー職が約束されていましたが、5年後、10年後の自分を想像したとき、実力が伴わないまま権限だけを持つ自分の姿に不安を覚えたのです。

「このままでいいのだろうか?」

現地の方々を軽視しているわけではありません。ただ、20代後半から30代という成長の大事な時期に、より高い意識を持った人たちと切磋琢磨できる環境で自分を磨きたいと考えました。

そこで、シンガポール統括の上司に「オーストラリアで働くチャンスはないか」と相談してみました。

正直、あまり期待はしていませんでしたが、返ってきた答えは私の希望を完全に打ち砕くものでした。

「日本人が営業職として英語圏で働くのは現実的ではない」

以前、シンガポール人をオーストラリアに営業として派遣したことがあったそうですが、顧客からの反応が良くなく、結局その方は退職してしまったとのことでした。

「どれだけ優秀で英語が堪能でも、外国人が営業職で成功するのは非常に難しい」という厳しい現実を突きつけられたのです。

Webを勉強することを決意

海外就職に関する画像

この言葉を聞いたときは落胆しましたが、今アメリカで生活している自分から見ても納得できます。

営業職は「信頼感・社交性・交渉力」が求められるため、外国人にはどうしても不利な面があります。

当時の私は自分の英語力に自信を持ちすぎていたのかもしれません。

納得しつつも、「それでも諦めたくない」という気持ちが強くなりました。

そこで、「営業が難しいなら、Webデザイナーとしてオーストラリアで就職を目指そう」と考えるようになったのです。

周囲からは猛反対の嵐

海外就職に関する画像

当時は「今から専門学校に通って、未経験で就職を目指すなんて無謀だ」と多くの人に反対されました。

「IT業界はブラックだからやめておけ」

「ITの仕事はインドや中国に流れるからやめておけ」

「高卒や専門卒で始めている人には絶対に勝てないからやめておけ」

それでも私は、「Web制作のスキルは今後のビジネスシーンで必須になる」と確信していたので、考えは変わりませんでした。

そして、オーストラリア・アデレードにある専門学校「TAFE SA」への進学を決意しました。

なぜオーストラリアのTAFE(専門学校)を選んだのか?

私が日本の専門学校ではなく、オーストラリアの学校を選んだ理由は以下の通りです。

日本のWeb制作業界は飽和状態。だから海外を目指した

今から日本で専門学校に通って就職するのは難しいと感じていました。

また、日本のWebデザイナーは低賃金で激務という話も多く、より良い待遇を求めて海外で働きたいと思いました。

海外での経験と語学力を強みにしたかった

Webデザインは競争が激しい分野なので、若いうちから実務経験を積んでいる人にはなかなか勝てません。

でも、「英語もできてWebもできる人材は少ないはず」と考え、そこに自分の強みを見出しました。

たとえ学校の質が期待外れでも、英語力は身につく

海外の専門学校なら、たとえ授業内容が期待外れでも、英語の勉強にはなるだろうと思っていました。

実際、その通りでした。

オーストラリアが好きだった

シンガポールで就職する前に、オーストラリアで1年間ワーキングホリデーを経験し、多くの友人ができました。彼らから「また帰ってきてほしい」と言われていたことも、オーストラリアを選んだ理由の一つです。

オーストラリアの専門学校での話

こうして2013年1月、オーストラリア・アデレードの専門学校「TAFE SA」へ入学しました。

詳しい体験談は、別の記事でご紹介しています。

まとめ

この記事ではWebデザイナーを強くおすすめしていますが、向き不向きはあると思います。もしやってみて合わないと感じたら、他の道を考えても良いでしょう。

ただ、挑戦してみる価値は十分にあります。Webサイトを作るスキルは、きっとどこかで役に立つはずです。

少しでも参考になれば幸いです。