フィリピンで頻発中。オーストラリア人詐欺師に大金を騙しとられた話
更新日: by Work Study Abroad
これは、私がマニラでオーストラリア人の詐欺師に大金を騙し取られた実体験です。
フィリピンで仕事を始めたばかりの頃、親切心から困っている外国人を助けようとしてお金を貸したところ、見事に裏切られてしまった悲しい出来事です。
この詐欺師はマニラに頻繁に出没し、特に日本人を標的にしているようです。フィリピン・マニラへ行く予定の方や現地在住の方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
このオッサンと知り合ったきっかけ
平日の昼間、マカティの街を歩いていると、道に迷っている様子の白人男性がいました。心配そうに見ていると、案の定、彼から声をかけられました。
「今どこにいるのか教えてくれませんか?」
「今、この辺りですよ。どこへ行きたいのですか?」
「Nowhere(どこでもない)」
そして、彼は長い身の上話を始めたのです。
全財産、荷物を失って途方に暮れていた
彼の話によると、ボラカイへスキューバダイビング旅行に来たところ、フェリーで寝ている間に貴重品が入ったバッグを盗まれたとのこと。
現地の警察に行っても取り合ってもらえず、マカティのオーストラリア大使館へ行ったものの、すでに閉館時間を過ぎていて、一文無しで途方に暮れていたそうです。
フィリピンで遭遇した不運な出来事を次々と語る彼に、お金を貸すことには慎重でしたが、せめて力になれることをしようと思いました。
その日中に飛行機のチケットを手配しなければならなかった
このオッサンは元々、マニラ→シンガポール→オーストラリアのルートで帰国予定でしたが、マニラ~シンガポール間の航空券を盗まれてしまい、その日のうちに手配しなければならないと説明しました。
その日の夜のフライトに乗れなければ、シンガポール~オーストラリア間のチケットも無駄になるため、何としてもその日のうちにシンガポールへ向かう必要があるという事情を、約2時間かけて熱心に語りました。
高級時計を預ける代わりにチケットを手配して欲しいとの事
そこで彼は、身に着けていたタグホイヤーの時計を担保として預ける代わりに、チケット代を立て替えてくれないかと提案してきました。
すぐには承諾しませんでしたが、時間が迫っているということで、とりあえず空港へ向かうことにしました。
マニラの空港向かう事になった
マカティでこのオーストラリア人と話していたのは、夜6時頃でした。
マニラ~シンガポール間の最終便が夜9時頃だったため、「もう空港へ急がないと間に合わない」という状況でした。
マニラ~シンガポール行きの航空券は2万5千ペソ(約6万円)。
通常はもっと安いのですが、ダイビング器材の超過料金を含めるとその金額になるとのこと。実際にネットで確認したところ、確かにそのくらいの金額でした。
このオッサンに2万5千ペソを貸す人が現れなければ、彼が持っているシンガポール~オーストラリア間のチケットが無駄になり、マニラで途方に暮れることになるという状況でした。
空港に到着するも、空港内に入れない
マニラ空港のターミナル1に到着しました。
タクシーの中でも、彼はフィリピンで経験した不運な出来事を延々と語り続けていました。
二人で空港内のチケットカウンターへ向かいましたが、航空券がないと空港内に入れないとのことで、セキュリティに止められてしまいました。
オッサンは「熱が出てきた」と言って、ベンチに座り込んでしまいました。
仕方なく、ATMでお金を下ろして現金を渡すから、空港内に入って自分でチケットを購入してきてほしいと伝えました。
おそらく、時間に追われていたことと、次々と予想外の展開が起きたことで、冷静な判断ができなくなっていたのだと思います。また、長時間彼の話を聞くうちに、「どうすればこのオッサンを助けられるか」という思いだけが強くなっていたのかもしれません。
2万5千ペソの現金を渡した
空港近くのATMでお金を下ろし、オッサンに2万5千ペソを渡し、代わりにタグホイヤーの時計を受け取りました。
住所と連絡先は事前に確認済みで、オーストラリアへ無事に帰れたら海外送金するので、必ず時計を返送してほしいとのことでした。
そして、彼は空港の中へと消えていきました。
この時点では詐欺だとは全く気づかず、むしろ人助けができた満足感を抱きながら帰路についたのでした。
詐欺師だと気付いた瞬間
その夜、友人たちに「今日、困っているおじさんを助けたんだ(^-^)/」と自慢げに話していました。
翌日、会社で隣席の同僚にその話をしていたところ、別の同僚がこう言いました。
「それ、有名な詐欺だよ!!!」
その言葉を聞いた瞬間、顔面蒼白になりました。
全身に鳥肌が立ち、言葉を失いました。
もちろん、タグホイヤーの時計は偽物でした。
オーストラリア人詐欺師の実態
聞いてみると、このオーストラリア人は過去に全く同じ手口で複数の日本人を騙しているとのこと。
同僚の知人にも何人か被害者がおり、ネットで検索すると複数の被害報告が見つかりました。
参考 詐欺に遭ってしまいました | Sing it out
参考 マニラの空港で、僕も詐欺師に騙されたので100倍返しツアーについて検討を始めました。 | きづきくみたて日記
参考 事件簿Case11:マニラ空港付近での悪質な詐欺にみんな気を付けて | 4コマ漫画 フィリピン留学で学んだ大切なこと
参考 寸借詐欺 マニラ空港で自称オーストラリア人の詐欺師に5万円あげちゃった話 | ゲスの細道 -旅路より-
参考 マニラのオーストラリア人詐欺師 | マニラでさすらう会計士のブログ
参考 こんな詐欺の手法があるのか!(自称)オーストラリア人?の詐欺師、マニラで被害に遭う邦人も! | Alien's view 異邦人の目- travel diary 旅人日記
参考 マニラ空港で有名なオーストラリア詐欺師に絡まれる by セブパシフィックの旅 | 4travel.jp
あの時の悔しさは今でも忘れられません。
フィリピンでの低賃金で節約生活を強いられていた当時、2万5千ペソを失ったことは非常に痛手でした。
皮肉なことに、オーストラリアで身につけた他人への思いやりが、この状況では裏目に出てしまったのです。
オーストラリアでは、道端で知らない人にタバコをねだられれば気軽に分け与え、友人にお金が必要なら貸してあげるという文化があります。
良い面も悪い面も含めて、フィリピンで人を簡単に信用しなくなったのは、この出来事がきっかけでした。
半年後、このおじの目撃情報が入る
事件から半年が経とうとしていた頃、同僚のKさんから突然電話がありました。
「以前、詐欺に遭ったというオーストラリア人の特徴を教えてもらえますか?」
なんと、Kさんは今まさに同じ詐欺に遭いかけていたのです。途中で不審に思い、私に連絡してくれたとのことでした。
現場へ急行するも...
このおじさんには必ず借りを返したいと思っていたので、すぐにKさんのいる場所へ向かいました。
しかし、現場に到着した時にはKさんの姿が見当たりません。
電話で確認すると、おじさんは何かを察知して急いでその場を離れ、後を追っていたKさんもジプニー(現地の乗り合いバス)に乗り込まれたところで見失ってしまったとのことでした。
詐欺師を逮捕することは可能なのか
冷静に考えると、この詐欺師を法的に追及するのは難しいのが現実です。
というのも、お金を渡した際に明確な返済期限を設けておらず、書面による契約書も作成していなかったからです。
仮に捕まえることができたとしても、「返すつもりだった」と主張されれば、立証が困難になります。
この経験から学んだことは、海外では見知らぬ人からの突然の金銭的援助の依頼には慎重になるべきということです。どんなに困っているように見えても、まずは公的機関や大使館などの正規ルートを案内するのが賢明です。
皆さんも海外旅行や海外生活の際は、このような詐欺に遭わないよう十分にご注意ください。