マレーシアのクアラルンプールで強盗にあった体験記

更新日: by Work Study Abroad

「マレーシアは大丈夫。比較的安全。」

これは私がこの旅に出かける前に耳にした言葉ですが、今ではその印象は180度変わってしまいました。

理由は単純です。マレーシアで強盗に遭ってしまったのです。学生時代の友人とマレーシアへ旅行した時の実体験を綴ってみたいと思います。

海外旅行で友人とマレーシアへ

当時親しかった友人Oと私は、マレーシアのKL(クアラルンプール)へ4日間の旅行に来ていました。

海外旅行に不慣れだった私たちは、多文化国家マレーシアの活気ある日常に圧倒されながらも、日本とは異なる東南アジア特有の雰囲気を楽しんでいました。しかし、その楽しい旅行は思わぬ方向へ進むことになります。

ブレイクダンス集団を発見

旅行3日目、繁華街を一日中歩き回っていたところ、路上でブレイクダンスのストリートパフォーマンスをしている若者たちを見かけました。

当時ブレイクダンスに夢中だった私は、彼らのパフォーマンスに興奮し、思わず自分も飛び入り参加しました。

「なんだコイツは!?」

という驚きの声とともに場は一気に盛り上がり、熱いダンスセッションが始まりました。

セッション後の違和感

ダンスが終わると、参加していたダンサーたちと挨拶を交わしました。次々と人が集まってきて、様々な質問を浴びせられます。

私と友人Oはすっかり有頂天になり、皆と友達になったような錯覚に陥っていました。

今思えば、この時に違和感を察知すべきでした。

話しかけてきた人数が、実際に踊っていた人数よりも明らかに多かったのです。

トラブルの予感が

皆と記念撮影をした後、ブラマヨ吉田さんに似た男性に声をかけられました。

「これからどこに行くんだ?」

「食事をしに行くよ」

騒がしい雰囲気の中、一人だけ真面目そうな若者が小声で忠告してきました。

「すぐに帰った方がいい」

私たちは「この辺りは治安が悪いから気をつけろという意味だろう」と軽く受け流し、夕食に出かけることにしました。

吉田似の男につきまとわれる

皆と別れの挨拶をし、レストランを探して歩き始めた時、例のブラマヨ吉田さん似の男がしつこく付きまとってきました。

「街をガイドしてやるよ」

「ありがとう、でも大丈夫だから、もう行ってくれるかな」

さっきまで皆フレンドリーだったので断りづらかったのですが、丁寧に断り続けました。

「お願いだからガイドさせてくれ」

しかし、彼は引き下がる気配がありませんでした。

「飯だけ食わせてくれ。そしたら帰るから」

「帰れ」

強い口調で言い放つと、ようやく彼は立ち去りました。

トイレを探していた瞬間

その後、友人Oが急にトイレに行きたくなり、公衆トイレを探すことにしました。

東南アジアでは公共トイレが少なく、レストランのトイレも客以外には使わせてくれないことが多いです。なかなか見つからず、やむを得ず人通りの少ないガレージの脇に移動しました。

「仕方ない、人目につかないところで済ませるしかないな」

私も同じように用を足すことにしました。二人で物陰に向かって立っていたその時……。

突然の襲撃

不意に後ろから首を絞められ、草むらに引きずり倒されました。目の前には先ほど「ガイドさせてくれ」と食い下がっていたブラマヨ吉田さん似の男が、ナイフを突きつけていました!

もう一人の男は私のポケットを探り、財布を探していました。明らかに計画的な犯行でした。

友人Oも同様の状況に陥っていました。

「抵抗しても無駄だ」と判断した私は、大人しく財布を取られるままにしました。

「Kill you!!」

と脅しながらナイフを突きつけた後、犯人グループは一目散に逃げていきました。

友人Oは抵抗したため、首に痣が残るほど強く絞められていました。

犯人の捜索へ

犯人の情報を得るため、先ほどまでダンスセッションをしていた若者たちのもとへ戻りました。

しかし彼らは強盗グループについては何も知らず、ダンスの場に紛れ込んできただけだと言います。

その後警察署へ向かい、被害届を提出するための事情聴取を受けることになりました。英語が堪能でなかった私たちは、深夜3時頃まで取り調べに協力することになりました。

盗まれたのは財布とカメラだけでしたが、幸いにも旅行保険に加入していたため、現金以外は補償されました。

教訓

この経験から学んだことは、「人目につかない場所での行動は危険」ということです。そして、強盗に遭った際は命が最優先なので、抵抗せず保険で対応するのが賢明だということです。

友人Oの首の痣は2週間ほど残り、痛々しい旅の記念となってしまいました。