2012年1月〜12月までの間、オーストラリアのアデレードという街でTAFEという専門学校に通ってWebデザインを勉強しましたので、その時の話を書いていきたいと思います。
ちなみにこの学校に通うまでの私のWebのスキルはゼロに等しく、それまでは営業職など全く畑違いの仕事の経験しかありませんでした。
これから海外にIT留学を検討している方に参考にしていただければ幸いです。
目次
IT留学は成功したかどうか
海外へIT留学を検討している方にとってもっとも気になるところが、留学後に仕事を見つけることが出来るかどうかだと思います。
そんな不安を抱えている方々にお伝えしたいことがあります。
心〜配ないさ〜〜〜!!!!!
留学後にフィリピンの会社にWebマスターとして1年働き、その後はハワイの現在の会社でWeb制作とマーケティングのお仕事に携わっています。
今の会社では働き始めて3年くらい(2017年8月現在)。
英語がある程度話すことが出来て、Webのスキルがあれば就職にとても強くなれることは保証しますよ。
オーストラリアのアデレードを選んだ理由
以前にワーホリでオーストラリアのアデレードという街に1年住んだことがあったので、IT留学を決意した時は場所の選択肢には迷いはありませんでした。
アデレードには友人も多かったし、街自体もとても気に入っていたので、もう一度この場所に帰りたいという気持ちがとても強くありました。
結果としてアデレードでは最高の1年を過ごせたと思いますが、キャリアを考えると正直なところ他の都市を選択した方が良かったのかもしれません。
というのが、アデレードにはITの会社があまり無かったため、学校の後に同じ街でWebの仕事に就くことがとてつもなく難しかったのです。
もし留学後に同じ国で就職を考えている方がいるとすれば、必ず大都市を選んだ方が良いでしょう。
オーストラリアならシドニー、カナダならバンクーバーというような。
留学の費用
私が通っていたTAFEはオーストラリアの公立の専門学校という位置づけで、授業料は1年間10000ドル(日本円100万円くらい)でした。
オーストラリアの大学とかが年間300万円くらいかかることを考えると割安感はあるかもしれません。
ちなみに語学学校よりも安いです。
オーストラリアではDiplomaまでの学位の授業料は安く設定されているらしいです。
日本人の比率
私が通った学校がアデレードという田舎町だったこともあり、IT学科で日本人は私一人、インターナショナルスチューデント自体も全体で5人くらいでした。
このインターナショナルスチューデント達も英語がとても上手く、初めてオリエンテーションに参加した時は、言語という高い壁を痛感した記憶があります。
クラスは10代のやんちゃ生徒と訳ありの大人で構成されていた
私が先行したWeb Developmentのコースには20人くらい生徒が所属していたいのですが、半分くらいは高卒出の10代の若者、残り半分は30代以降の年配の方々でした。
年配の方々は、よい仕事が見つけられないので手に職をつけようと学校に通い始めている方々が多く、皆とても真面目に授業を受けられていました。
対して10代の若者は曲者が多かった。。
彼らは基本的にITリテラシーが高いのでPhotoshopやカメラ、HTMLの知識をすでに持ち合わせている、もしくは習ってもすぐに習得してしまうので、基本的に授業を真面目に受けずになめきった態度で遊んでいました。(皆ではありませんが。)
授業の質は?
授業の基本的な流れはこんな感じです。
- テキストとなるPDFファイルをダウンロードする
- 先生が30分くらいレクチャーする
- 残り2時間半くらいで課題を作業する
基本的にテキスト(PDFファイル)に講座から課題の内容まで全て書かれているので、最初の30分くらいのレクチャーに参加すれば課題は家で提出することも可能です。
レクチャー後の作業時間に不明点があれば先生に質問することが出来たのですが、先生の知識はピンキリで、詳しい人もいれば質問しても全く答えることが出来ない先生もいました。
正直な感想を言うと、「これ学校に来る必要はあるのかな」と思いました。
学校を責めている訳ではなく、プログラミングの授業は基本的に作業中心になるので仕方がないのかもしれません。
なのでWeb制作に関してはオンラインで学ぶのも学校で学ぶのもクオリティに違いはないな、というのが個人的な感想です。
身についたスキル
私が専攻していたコースはWeb Developmentというコースになりますが、授業の内容はこんな感じです。
- シスコ(ハードウェア全般)
- Photoshop
- Dreamweaver
- HTML / CSS / Javascript
- データベース(MySQL)
- フォトグラフィー
- ソーシャルメディア
- 動画制作(Adobe Premiere)
- Adobe Flash
あとは忘れましたが、役に立たない授業も山ほどありました。これは学校で学ぶことのデメリットですね。
独学で学ぶ人は自分の好きな内容、必要性を感じる分野に全てを時間を割くのに対して、学校で学ぶ生徒たちは不必要な内容に多くの時間を費やしてしまいます。
多くの生徒が途中で辞めた
この学校には1年くらい通ったのですが、最後らへんには8割くらいの人は辞めてしまいました。
理由はおそらく上記にも書いたように「時間を無駄にしている」と感じた人が多かったからなのかもしれません。
スティーブジョブスも同じようなことを言ってますよね。
私の場合は授業内容に学ぶことが無くても少なくとも英語の勉強になったので良かったのですが、ローカルの生徒にとっては内容が物足りなかったのかもしれません。
TAFEで学んだもっとも大切なスキル
大した英語力が無かった自分にとって、Web制作の授業についていくことは容易ではありませんでした。
そこで編み出した対策が、「とてつもない速さでググる(Google検索する)」ということです。
レクチャーの中でついていけなくなった時に、10秒ぐらいでググって理解し軌道修正しなければ授業についていくことは至難の技でした。
これは今でもクセになっていて、分からないことがあればすぐにググるし、英語の文章を作る時にも出来るだけ自然な表現を作るためにいちいちググって確認したりもします。
You Tubeの講座から学ぶ
あと課題をしている時に行き詰まった時とかも、先生に質問したりせずにググったりYoutubeのチュートリアルから答えを見つけるようにしました。
というのもネットで発信している人の方が先生よりも数倍分かりやすかったので。。
この時悟ったのが、分からないことがあればネットで検索するのが一番早いな、ということです。
この手法を覚えてからは、私のWeb制作のスキルはぐんぐん伸びました。
欲しい情報をどのプラットフォームで探すかを瞬時に判断出来るようになるにはセンスや経験が必要ですが、これが出来るようになれば学校に行く必要はないと思います。
学校に行きながらアルバイトで実務経験を積んだ
学校でHTMLを学び始めて3ヶ月くらいが経った時、遠隔で働ける日本のWeb制作の会社で働き始めました。
この会社。
手取りはサイト制作一件につき3万円とすごく安かったですが、HTMLを少しかじった程度の私にとっては実務経験を積む絶好のチャンスでした。
素人のWeb制作は苦難を極めた
無我夢中で頑張ったのですが、この仕事は至難を極めました。
詰まっても質問できる友達がいないし、今思えば経験値3ヶ月の素人が出来る仕事ではなかったのかもしれません。
お客さんに迷惑をかけながらもなんとか仕事をこなしていったのですが、この頃にある考えが強く頭にこびり始めました。
「会社で働きたいな」と。
それまで一人で引きこもって仕事をして、詰まっても誰にも質問することが出来なかった私にとって「他のWebデザイナーと一緒に仕事をする」ということはとてつもない魅力に思えたのです。
インターンを探し始めた
という理由により、現地のIT企業を全て調べて「インターンさせてくれ」という内容のメールを全ての会社に送信しました。
残念ながら結果はかすりもせず。
上記にも書いたようにアデレードにはインターンを雇うような大手のWeb制作会社の数が少なかったのです。
そんな理由でオーストラリア以外の国で仕事を探し始めました。
海外の専門学校に通うメリット
これまではデメリット的な内容を多く書いてしまいましたが、メリットもいろいろあります。
一番のメリットは、「海外の専門学校に行っていた = 英語はある程度話せる」というイメージを持ってもらえることです。
就職活動でも履歴書にTOEICの点数を書く必要もなし。
外資系の転職エージェントなどでもバイリンガルの案件がどんどん回ってきます。
その他のメリットを挙げるとするとこんなところ
- 語学学校より授業料が安い
- 真剣に勉強する必要性に駆られる
- ローカルの友達が出来やすい
- 英語以外のスキルが身につく
- 学位が取れる
- (私は無理でしたが)卒業後に現地で就職できるチャンスがある
なので留学するのであれば、語学学校よりも専門学校を目指すべきだと多くの方々に伝えたいというのが私の考えです。
海外でキャリアを切り開くのであれば尚更ですね。